Wind of Emotion神辺川北デイサービス
管理者 藤田 恭子

「さあ、私たちにできる仕事は何か」Now, what work can we do?

ありがとうを利用しはじめて1年半くらいになるAさん。
吐血し、入院されてから「家に帰りたい」と訴えられ、10月半ばに体調が安定したため退院できることになりました。

症状からすると、もう長くはないかもしれない・・・と思っていました。
今まで通り4/W ありがとうデイを利用したいと娘さんが希望され、かかりつけHPの訪看さんとクリニックの先生と協力し、在宅生活に戻ることとなりました。
“いつ何があるか分からない”という思いがあり、その都度緊急時の対応について娘さんに確認しスタッフ皆に周知しました。
デイを再開した1週間目は安定して食欲もあったのですが、2週間目には食べることがしんどくなっていました。

点滴もうけつけなくなり起きておくことも短時間しかできない中でも“デイに行かせたい”という娘さんと本人の思いもある中、
『もう長くはないとのじま先生に言われた』と電話で一緒に泣きました。
さあ!私たちにできることは何か、こんなしんどい中でもデイに来てくれるAさんに私たちができることは何か、皆で考えました。

送迎の車、送迎車での姿勢、デイでの過ごし方、入浴の姿勢、神辺デイにはリクライニング車イスなんてありません。あるもので工夫しました。

Aさんが安心して穏やかにすごせるようにスタッフ皆で声掛けをしました。
以前ありがとうに来てくださった小林先生の言葉を思い出し、資料も読みました。
デイには看取りは関係ないように思っていたけれど、そんなことはありません。
本人・家族とスタッフ皆が後悔しないようにAさんが生ききるお手伝いをしなければと思いました。
デイに来られなくなってからも電話で様子を聞いたり、家に寄って体をさすりながら話をしたりしました。
11月に入ってからはあっという間に話すことができなくなりました。

娘さんが「毎日来て!」と私たちスタッフを必要としてくださったので、毎日行きました。
返事ができなくても最後まで耳は聞こえていることを娘さんに伝え、たくさん話しかけました。
亡くなった夜もAさんの家に面会に向かっている途中でした。

朝までもたない気がしていたため来られていた訪看さんと一緒に、体を拭いたり服を着替えたりエンゼルケアもさせてもらいました。家族以外のこんな体験は初めてでした。

Aさんが自分の身をもって、私に学ばさせてくれたこと、一生忘れません。
家族のように私たちスタッフを必要としてくださった娘さんにも本当に感謝です。

最後にスタッフ5人でお悔みに行きました。皆できちんとお別れもできました。
棺にはスタッフ全員のメッセージカードも入れてもらいました。
Aさんきっと寂しくないと思います。
娘さんから大好きなおはぎを持たせてやりたいとリクエストもあり、手作りのおはぎを棺に入れてもらいました。娘さん家族と私たちの愛情いっぱいでAさんを見送れたことありがたかったです。

貴重な日々を過ごさせてもらえたこと、スタッフ皆を成長させてくれたこと、心からのありがとうです。
私たちはこれからも必要とされるデイであり続けられるように精進します。
ありがとうに行くことで人生の最後が“豊かだった、輝けた”と言われるとサイコー!!そんな支援をし続けていきます。

2021年10月/株式会社QOLサービス
ありがとう神辺川北デイサービス
管理者
藤田 恭子